がんに対する民間療法は詐欺なのか? ジョブズ、川島なお美の死で浮き彫りになる不信感

民間療法-川島なお美

24日午後7時55分、女優の川島なお美さんが肝内胆管がんのため都内の病院で亡くなりました。

胆管癌(たんかんがん、英: Cholangiocarcinoma)は、胆管に発生する悪性腫瘍である。胆管とは肝臓でつくられた胆汁を十二指腸へ流す導管である。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/胆管癌


亡くなる1週間前まで舞台に立ち、女優としての生きざまを見せてくれました。
ですが、享年54歳という、あまりに早い死を悼む声が相次いでいる中、川島なお美さんががんに対して民間療法を用いていたことが話題になっています。



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がんの民間療法とは?

民間療法-薬 出典:http://www.lifehacker.jp/assets_c/2012/10/121019_Pills_01-thumb-640×360-46045.jpg

手術や抗がん剤、放射線といった科学療法以外の、健康食品やサプリメント、鍼・灸、マッサージ療法、運動療法、心理療法といった療法を補完代替療法又は民間療法といいます。

実際に川島なお美さんが行っていたのは、

(1)ビタミンC濃縮点滴などによって「身体の免疫力をアップさせること」
(2)電磁波等を用いて「邪気をとりのぞくこと」
(3)発酵玄米や豆乳ヨーグルトといった「バランスのよい食事をとること」


だったと言われています。



民間療法でがんは治るのか?

がん治療に精通し、著書「がんはどこまで治せるのか」を出版している森山紀之先生は、下記のように述べています。


がんに限らず、治療とは、あくまでも科学的根拠があることが大前提となります。これまで積み重ねてきた医療、治療の統計に基づくエビデンスによって成り立っています。
ところが中には、科学的根拠の乏しい特殊な治療法を実施しているところもあるのが現状なのです。がん治療の最中、民間療法や代替療法をやってみたいと希望される患者さんも出てきます。しかし、民間療法でがんが治ったとされるケースの多くは、そもそもがんでなかったものをがんだとして治療をしたり、どんながんを何の根拠に基づいてどのように治療したのかが残念ながら明確ではなかったりするものが少なくありません。

がん治療、「絶対治る」は絶対信用できない 根拠のない治療法が魅力的に映る理由
出典:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO81260690U4A221C1000000/


民間療法は、がんを宣告された患者にとって「奇跡を起こす」ための希望なのかも知れません。
科学的ではないからこそ、「もしかしたら」が起きるのかも知れない、という藁にもすがる思いのあらわれでしょうか。

がんになったら手にとるガイド」というがんに関する情報を提供するサイトにも、民間療法の効果が証明されていないことが書かれています。

補完代替療法には、治療効果、つまりがんの進行を遅らせる、生存率を高める効果が証明され、治療法として勧められているものは現段階では1つもありません。従って、効果が期待できる治療法として見なされていません。同じく、吐き気やだるさなど、がんに伴う症状を和らげるための代替療法についても、治療法として勧められると判定されているものは、1つもありません。

補完代替療法(ほかんだいたいりょうほう)を考える
出典:http://ganjoho.jp/hikkei/chapter3-1/03-01-11.html


結論:民間療法には科学的な根拠なし!



それでも民間療法を選ぶ理由

これは人によって、様々です。
上記の通り、「奇跡を起こす」ために藁にもすがりたい気持ちで民間療法を選択する人もいるでしょう。

かのスティーブ・ジョブズ氏も、医学的に治療可能な膵臓がんに対し、手術を拒否してハーブ療法や食事療法等を取り入れました。
科学的な治療を拒否した理由は、「権威を信じずに自分ひとりを信じる」という彼のポリシーから。
自分の体に誰かが手を加えることが許せなかったと言われています。

一方、川島なお美さんは、抗がん剤の副作用により舞台に立てなくなることを考えて民間療法を選択しました。

「抗がん剤の副作用でステージに立てなくなる可能性があるなら、私は最後まで女優として舞台に立ち続けたい」

川島なお美さん、抗がん剤治療拒否 最後まで女優としての人生全う
出典:http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/09/25/kiji/K20150925011200580.html


抗がん剤を始めとする科学的治療法は痛みや不快感、脱毛等の副作用を伴うため、苦痛から逃れるために、民間療法を選択する方もいるそうです。



結局、民間療法は何のためにあるのか

科学的な根拠はないと言われていますが、例えば心理療法等によってがん患者の精神的なストレスを軽減することには意味があると思います。

適切な代替療法・民間療法の取り入れ方としては、厚生労働省がん研究助成金「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究班」が作成した『がんの補完代替医療ガイドブック』が参考になります。
このガイドブックには以下のような記述があります。

自分の体に合った補完代替医療と出会い、医師の行う治療を受けながら、より快適な生活を維持して『がん』とうまく付き合っている人もいます。


民間療法のみを盲信するのではなく、効果的な科学治療と共に取り入れることで、がんと闘っていく中で、より過ごしやすい状態が生み出されるのではないかと考えられます。

まずは、民間療法が「民間」であるのは、その効果が科学的に証明されていないからだということを念頭においてください。
そして、民間療法の全てが詐欺ではありませんが、異常に高額な治療は詐欺の可能性があります。
民間療法はあくまで補完・代替的なものですから、科学療法よりも膨大なお金を使うことには疑問を感じてください。

すぐに自分に合った民間療法に出会えるとは限りませんが、深入りしすぎず、適切な距離で使用していくことが望ましいのではないでしょうか。


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