介護に限らず、新人教育でまず大事なことは、新人のやる気を引き出すことです。介護の仕事は体力的にも精神的にも厳しいものがあり、離職率が高いのが現実です。いきなり高度なことや基本だからと詰め込みすぎては、新人のやる気を削ぐ結果となり、離職する可能性を高めてしまう可能性もあるでしょう。そのため、初めは、新人のよい所を見つけてあげ、褒めてあげることから始めるとよいかもせれません。

しかし、介護という仕事は人命にも関わる恐れがあるため、手綱を緩め過ぎるのも良いとはいえません。利用者の乗り物の乗降やトイレ、風呂の介助など緊張と注意力をもって行わなければならないものに関しては、率先してお手本を見せると共に特に真剣に行わなければならないことを常に意識させるようにしましょう。それには教える側の意識も大事になります。どんな人材を育てていくのか、明確な理念を持つようにしなければなりません。その拠り所となるのは事業所の理念を明確に自分が理解して実践しているかに掛かってきます。新人教育をおこわなければならない方は、その事が理解できているのか新人を教える前に見直しておくとよいでしょう。

また、人は、完璧でない以上、得意分野同様に不得意分野もあるものです。特に新人の場合、出来ない事が多いため、不得意分野は、おざなりになる傾向にあります。しかし、不得意分野をそのままにしておくと介護では利用者へのサービスが十分でなくなる可能性があるため、新人の不得意分野を潰すように教育していかなければなりません。そのためには、新人自身に何が自分に欠けているのか認識させる必要事項があります。